2021年7月31日土曜日

週報・説教メッセージ 20210801





 

聖書の言葉 

聖書 ヨハネ6:24~35 (新175)

群衆は、イエスも弟子たちもそこにいないと知ると、自分たちもそれらの小舟に乗り、イエスを捜し求めてカファルナウムに来た。 そして、湖の向こう岸でイエスを見つけると、「ラビ、いつ、ここにおいでになったのですか」と言った。イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。あなたがたがわたしを捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ。 朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。父である神が、人の子を認証されたからである。」 そこで彼らが、「神の業を行うためには、何をしたらよいでしょうか」と言うと、イエスは答えて言われた。「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業である。」 そこで、彼らは言った。「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんなしるしを行ってくださいますか。どのようなことをしてくださいますか。わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。『天からのパンを彼らに与えて食べさせた』と書いてあるとおりです。」すると、イエスは言われた。「はっきり言っておく。モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、わたしの父が天からのまことのパンをお与えになる。神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである。」

そこで、彼らが、「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」と言うと、イエスは言われた。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。


説教「心のハンガー・ゼロ(2)」 徳弘浩隆師

1. 夢だけでは食べていけないが…

もともとあまりTVは見ませんが、最近はニュースを見ようとしてもオリンピック中継ばかり。いろいろ課題はあって難しいですが、応援したくなる人もいます。私たちの教会の秋田さんがパラピンピック日本代表に選ばれたので、うれしくて応援したいですが、コロナ拡大が止まらないと心配にもなります。13歳の日本人選手が金メダルを取った時、一緒に表彰台に立ったブラジル人の13歳の少女が気になりました。メロ先生と同じマラニョン州出身ですが、気負ったところや敵愾心がみられず、合間にストリートダンスを一人でしていたり、優勝した日本人選手にハグをしに行ったりして、とても心がなごみました。国の名誉をかけてといというのはやめて、それぞれの境遇や人生を知り、応援し、一緒に泣いたり喜んだりできれば、力ももらうことが出来るはずなのにと昔から思っています。

TVの話に戻しますと、気分転換のために、Netflixというサービスを利用しています。いろんな国のドラマを外国語と日本語字幕で見て、国や文化、宗教を知ったり、言葉に慣れたり忘れたりしないようにもするためです。最近耳に残ったのは、日本語に直訳すると「夢は請求書を払ってくれない」というスペイン語の言い回しでした。日本語なら、「夢じゃぁ食っていけないよ」ということになるでしょう。

いろんな人の夢や目標、そして苦労や逆境も知ることが多いオリンピックの最中ですが、私たちはこうも痛感します。「夢は請求書を払ってくれないけれど、夢がなければ生きていけない」と。今日の聖書は、パンを食べることに関する問答でした。私たちが本当の意味で「生きていく」ためにどうすればいいのでしょうか?

2.聖書を学びましょう

パンの話、そして旧約聖書のマナとウズラの奇跡の出来事がしばらく続きます。今日の所は、5000人以上の空腹を奇跡的に増やされたパンで満たされた出来事の後です。イエス様を見つけた群衆の一人に「いつここにおいでになったのですか」と聞かれると、「あなた方がわたしを探しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ」と彼らの人間的な目先の関心事を指摘し、そうではない方向へ導かれる問答が始まります。見ていきましょう。

イエス様はこう続けます。「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい」と。それに対して人々は「神の業を行うためには何をしたらよいでしょうか」と質問します。大そうな修行をしたり、特別なことを一生懸命にしないといけないと思ったのかもしれません。しかし、イエス様の答えは簡単でした。「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業である」と。「どんな準備が必要」ということではなく「信じることが」というのです。「では信じることが出来るようにしてください。どんなしるしをしてくれますか?」とモーセの時のマナの奇跡を持ち出してたたみかけるとイエス様の答えはこうでした。「モーセが与えたのではない。私の父が天からのまことのパンをお与えになる。神のパンは天から降ってきていのちを与えるのだ」と。すると人々は「それをください」と言います。それに対するイエス様の答えは「私がいのちのパンだ」というものでした。

群衆の側の発言は少し的外れだったり堂々巡りだったりするようにも見える問答ですが、これを通してイエス様は、空腹を満たす奇跡で集まった群衆を問答で導き、神の業や、来たるべくして来られたメシアとしての自分、そして命を与えるという十字架の預言まで、引き上げていかれました。

3.振り返り

今の私たちの人生はどうでしょうか?貧しい時代の様に空腹というわけではないかもしれません。しかし、心が飢えて、渇いていませんか? 夢だけでは生きていけないかもしれませんが、夢がありそれが満たされ、心も満たされて、平安ですと言える状態でしょうか?

先週、「ハンガー・ゼロ」、つまり、飢餓を撲滅しようという運動を思い出した話や、私の体験からブラジルの教会の集会所でスラム街の子どもたちの心と体の健康を支援する働きをしていた話と、私の方が教えられ育てられたとお話しました。

私たちは、心の空腹に苦しみ、さまよう人生を送っているのではないかと思わされます。「経済大国」となった日本は、途上国を支援し一生懸命になるNPOやボランティアもおられます。それは尊いことで、私ももっとかかわりたいです。しかし、私たちの国では年間何万人の人が、飢えではなく絶望や行き詰まりから自ら命を絶っています。そして、自分も、行き詰り、燃え尽きてしまう危機を、時に感じることがあります。

私も15年位前インドでワークキャンプの準備をし、プログラムを作るのに参加しました。クリスチャンで医師の親子で娘の方の医師は牧師にもなった彼らが開設した地方の包括的支援をするセンターで病気やけがで足をなくした人たちに義足を作るキャンプに合流し、教会の青年を送ってきました。このとても良い体験は、世界の仕組みや格差を知り、信仰や愛のなすべきことを教え促してくれます。今コロナ拡大で大変ですが、その弟の方の医師がYoutubeで活動報告をしていました。そこを訪ね過ごした時間と考えさせられたことを思い出しました。「僕らは日本の教会で一生懸命忙しく、寝る暇も惜しんで働いているのに大したことはできていない。でも、インドのこの人たちは、大変な問題もあるけれど、自分のペースでゆっくり楽しみながら大きな仕事をしながら生きている…」と。朝食後、お祈りをして、畑仕事の指導や地域の保健指導に自転車で行くチームの打ち合わせ、と思うと「お茶を飲みましょう」と呼ばれてインドのチャイをいただいておしゃべり。または、HIV感染者たちのグループホームの畑作業を見に行って、義足キャンプの打ち合わせをして、夜はインドのビールをいただいてしばらく笑いながらおしゃべり。そして夕食。ちょうど私の誕生日だったのでケーキを焼いてくれお祝い。夜は、「緊急の盲腸の手術が入ったからあなたも見てみたらいい」と呼び出されて緑色のエプロンとマスクをして立ち会う。頻発する停電で温水が出ない日はタライの水を桶ですくってかかるだけのシャワーのあと床に就く生活。流れている時間が違うように、のんびり、豊かでした。

4. 勧め 

神の業をなすために一生懸命になりすぎるのではなく、自然体で神様を信じ、神様と人々と一緒に生きることの大切さを思わされます。もちろん、そのために命を捨ててくださったイエスキリストの愛で、私たちは新しい生き方をいただきました。この方と一緒にいて信じている私たちは「決して飢えることがなく、決して渇くことがない」のです。この方に任せて、生きていきましょう。

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風の谷より・キリスト教ワンポイント解説  「マナとうずら」

聖霊降臨後第10主日の福音書の日課は、これから4週間ほど天国のマナたるイエスさまを学びます。5000人を倍する人たちの神による養いに引き続いてのイエスさまの教えです。

第1日課は、出エジプト記16章2~4節、9~15節です。さてこの出エジプト記ですが、ヘブライ語の表記は「家族」を意味する言葉です。飢饉でエジプトに渡った家族がエジプトを脱出して神さまと契約を結ぶ物語です。実際に脱出を経験したのはベニヤミン族だったというのが最近の研究ですが、それでも宣教によって民を加えていくというのが現代に通じているように思います。全く不思議な業で神の民をエジプトから導き出したのですが、最後まで養う責任があるのでマナうずらを以て養いました。鶉や鳩は今も食用鳥の上位です。因みに鶏は食べるようになって200年足らずです。神さまは今も不思議と恵みと慈しみをもって私たちを養い、保ち、育んで下さっております。感謝を捧げましょう。シャローム!(三木久人)


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