2021年5月29日土曜日

週報、説教メッセージ 20210530






 聖書の言葉 

聖書 ヨハネ 3: 1~17 (新167)より

さて、ファリサイ派に属する、ニコデモという人がいた。ユダヤ人たちの議員であった。ある夜、イエスのもとに来て言った。「ラビ、わたしどもは、あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神が共におられるのでなければ、あなたのなさるようなしるしを、だれも行うことはできないからです。」イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」 ニコデモは言った。「年をとった者が、どうして生まれることができましょう。もう一度母親の胎内に入って生まれることができるでしょうか。」 イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることはできない。 肉から生まれたものは肉である。霊から生まれたものは霊である。 『あなたがたは新たに生まれねばならない』とあなたに言ったことに、驚いてはならない。


説教「死後でも来世でもなく今」徳弘浩隆師

1. 「三位一体の対応の推進を要請」…

今日は、教会のカレンダーでは「三位一体主日」です。毎年この日には、「ニュースでも最近この三位一体という言葉を聞きますね」と触れますが、今年は日本医師会会長が3月31日の記者会見で発表していた言葉とその報道にもありました。こうあります。

//日本医師会会長は新型コロナとの闘いが重大な局面に立っていると指摘。「『政府・自治体の実効性のある施策』『医療提供体制の整備とワクチン接種の推進』『日常の感染防止対策の徹底』を三位一体として進めることで、新型コロナに立ち向かい、打ち勝つことができる」と強調し、理解を求めた。//

「問題を解決するためには、これら三つの大切な取り組みをどれひとつ欠かすことなく、一致して取り組むことが大切」という意味で使われています。しかし、この訴えはなかなかうまく進まず、まだ抑えられていません。何かが欠けて、何かが滞っているからということになるでしょう。これら三つ、つまり、政府の取組や、医療機関の取組、そして私たち一人一人の取組、どれもそれぞれ、万全ではないようです。また日本医師会長の気がゆるんだりしているようだという事例の報道もあり、気の毒ですが、人間の限界とむつかしさを感じさせられます。

さて、問題を解決するための三位一体の取り組みですが、新型コロナ感染症のことだけではなく、私たち人間の生き方や人類の大きな課題、それを解決するためにはどんな三位一体が必要なのでしょうか?今日の聖書では、ヨハネの福音書から、「神の国に入るためには」という問答から、解決策を探ることになります。

2. 聖書を学びましょう

ファリサイ派に属しユダヤ人たちの議員であったニコデモという人が、夜にイエス様のもとに質問に来ました。ファリサイ派はユダヤ教の教えを厳格に守り一般人とは違うという意味で「分離」という言葉からファリサイ派と呼ばれていました。またユダヤを支配しているローマ帝国の作った傀儡政権の議員でもある人だったのです。イエス様の評判や教えに感銘を受け、神からの人に違いないと信じたのでしょう。

彼の挨拶にイエス様は答えながらこう言われました。「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない」と。しかし、彼はイエス様の言われる真意を理解できません。どうしてもう一度生まれることが出来るだろうかと聞き返します。それに対してのイエス様のお答えは、「だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることはできない。」というものでした。

自分の立場や今まで築いてきたすべてのものを危険にさらしてでも、イエス様に教えを請いに来た彼は立派です。たとえ人目を忍んで夜に来たとしてもです。私たちも、今までのそれぞれの人生で培ってきた知識や経験があります。なかには大きな財産や名誉があることもあるでしょう。物事の判断には、それらを頼りに、または自信にしてすがりながら生きています。しかし、それをかなぐり捨てて、神様に謙虚に尋ねることをしているでしょうか?

ニコデモは見習うべき人です。しかし、それを理解できたかどうか、それに従うことが出来たかどうかも大切なところです。このまま去ったかどうか伝えられていませんが、ヨハネ福音書の19章39節にはイエス様の葬りの際には立ち会っているようですから、最後まで気になり、従っていったのかもしれません。

3.振り返り

私たちはどうでしょうか?自分の知識や価値観、経験による自信や体面が自分の不完全さを認めることを妨げ、神の声に従う事を妨げているかもしれません。

牧師は教えることに慣れていても、習うことにはもう慣れていないことが多くあります。私も50歳直前でブラジルに行くことになり、急いでいくつかの学校でポルトガル語を学びました。いつもと反対側の生徒の席に若い人に交じって座った時には久しぶりの感覚で、最初は居心地が悪かったのを覚えています。ブラジルでは私が釘で十字架を作ってみるなどという教会の集会で新しいことをしてみると、メンバーの側に座ってい聞いていた同僚牧師がいつの間にか人々の手を取り教える側になっていました。自分も初めてなのでよくわからないのにです。案の定一緒に混乱してしまいました。私は「先生もこのことは初めてなんだから、今日は一人の生徒でいいんだよ」と優しく諫めました。そして、私も自分にもそういうことがあるなと、反省させられました。

4、勧め 

神の国に入るには、子どもがそうであるように生まれ変わって謙虚に聞きしたがうこと。そしてそれは、「生まれ変わった気持ちで」というだけではなく、「罪を悔い改めて、父と子と聖霊の名によって洗礼を受けること」です。そこから始まるキリスト者としての人生は、もうすでに神の国に入っているのです。死後の世界でも、来世でもありません。聖書の言葉をもっと学んでみませんか?今の人生が変わるのです。

 

----------------------------------------

2021年度「献身者を求める祈り」(5月30日) 全てを統べ治めたもう神様。わたしたちをあなたの働き人としてください。私たちの無関心を打ち払い、この世にあって悩み苦しむ者たちの声に耳を傾け、欠け多き私たちに与えられたあなたからの賜物を、あなたの知恵によって用いることができますように助けてください。特に私たちの教会から伝道者、牧会者として生涯を捧げる者が一人でも多く興され、それらの者たちが、あなたからの召しに応えていくことができますように聖霊の働きにより力づけてください。そしてこの世で起こる不条理にも、人の知恵ではなく、あなたの愛をもって応える者として備えさせてください。この祈りをわたしたちの主イエス・キリストのみ名によって祈ります。

------------------------------------------

風の谷より・キリスト教ワンポイント解説 「新しく生まれた者の派遣」 三位一体主日の福音書の日課はヨハネ福音書3章、ニコデモからの相談です。口語訳では15節までがイエスさまの言葉で16節からは他の文でしたが、共同訳は最後の21節までがイエスさまの言葉です。神の国の働きをする者は、新しく生まれた者です。イエスさまは「新しくもう一度、水と霊から生まれる者が神の国を見る」と言っておられますが、これらはアラム語では同じ言葉です。三位一体の神によって新しく造られて、もう一度生まれ、水と霊で洗われて救いに入り、神の国の働きへと遣わされていきます。第一日課は宮廷のイザヤの召命記事です。われわれに替わって誰を遣わすべきかと相談していて、そこに三位一体が絡むと考える向きもありますが、この「われわれ」はむしろ尊厳複数。三位一体との関連はないと思います。むしろ天使が火挟みで持って来た焼けた炭で洗われてから、神の国の働きの中へと派遣されました。私たちもまた、三位一体の神の救いと守りと派遣の中で生かされているのです。シャローム!(三木久人)


------------------------------------------------

牧師からのお手紙

・牧師になりませんか? 

「わたしがここにおります。わたしを遣わしてください。」(イザヤ書6章8節)

 

「牧師って何?神父さんとどう違うの?」とよく聞かれます。牧師は聖書にある「羊飼い」から来ていて、カトリックの国のラテン系の言葉では「羊飼い」も「牧師さん」もPastorと言って同じ言葉です。神父さんは日本語独特の呼称で、英語の国ではFather、上記国々ではPadreといい「お父さん」と同じ言葉。修道士もブラザー、シスターと呼び、上記国々でも兄弟、姉妹という呼び方。女性修道院長をマザー・テレサのようにMotherと呼びますがこれも「お母さん」「母上」と呼ぶ感じですね。意外と「身近な」呼称なのです。

牧師になるというと、「いいえ、私など俗世間のものにはとても…」という方が多いですが、カトリックのように聖職者ではなく、プロテスタント教会では聖俗の区別をなくし教職者と呼びます。聖書の言葉を正しく理解し伝え、教会や社会の様々な仕事にあたるために、基本的な勉強や教会全般の実践訓練や人間関係の訓練を受けますが、牧師も一人の信徒・神の民です。神学にも聖書学や聖書語学、教義学、歴史神学、倫理、典礼学、キリスト教教育…など全般を学びますが、同じ牧師でも卒論などで専門的に取り組んだ分野が違い特色もあります。自分が昔悩んだり苦しんだりし、聖書やキリストに出会って救われ、自分と同じような人の役に立ちたいと思った人が多いでしょう。ですから、取り組む関心事項も違うこともあります。「どんな聖人にも過去があり、どんな罪人にも未来がある」といわれるように、人生での失敗や挫折もあるかもしれません。人生の完璧な指導者ではなく、罪びとの弱さを正直に自覚した人ともいえます。

でも、神様のため、人々のために「誰か代わりに行ってくれる者はいないか?」という神様の呼びかけに、「私がここにおります」と応えた一人一人です。あなたにも、あなたのお子さんやご家族にも、そんな神様からの呼びかけがあるかもしれません。牧師になる。あるいは信徒のままでもできるだけの神様へのお応えをする、そんなことも考えてみませんか?あなたが苦しんだ、あなたが体験した出来事と救われたあなた自身が、誰かの苦しみを理解し救いになることがあるはずです。(徳弘) 


2021年5月26日水曜日

週報用データ 202106

202166日 聖霊降臨後第2主日 (緑)

********************

1朗読 創世記3: 815 (4)

2朗読 二コリント4:135:1 (329)

福 音 書 マルコ3:2035 (66)

********************

Of. 130(詩篇130:1-8

(ふか)(ふち)から、(しゅ)よ、あなたに(さけ)びます(しゅ)よ、この(こえ)()()ってください。

  (なげ)(いの)わたしの(こえ)(みみ)(かたむ)けてください。

(しゅ)よ、あなたが(つみ)をすべて(こころ)()められるなら、

  (しゅ)よ、(だれ)()えましょう。

しかし、(しゅ)よ、(ゆる)はあなたのもとにあり、

  (ひと)はあなたを(おそ)(うやま)のです。

わたしは(しゅ)(のぞ)をおき、

  わたしの(たましい)(のぞ)をおき、み(こと)()()(のぞ)ます。

わたしの(たましい)(しゅ)()(のぞ)ます。

  ()()りが(あさ)()にもまして、(あさ)()にもまして。

イスラエルよ、(しゅ)()(のぞ)(いつく)しみは(しゅ)のもとに、(ゆた)かな(あがな)いも(しゅ)のもとに。

  (しゅ)は、イスラエルをすべての(つみ)から(あがな)ってくださる。

********************

Pr.

(ちから)あふれる(かみ)(さま)。あなたは()()イエス・キリストによって ()(いのち)に、(はい)(ぼく)(しょう)()()えられました(しゅ)(しん)(らい)し、キリストの(ちから)をいただいて、あらゆる(あく)()()ことができるよう、(わたし)たちの(しん)(こう)()(くわ)えてください。(すく)(ぬし)(しゅ)イエス・キリストによって(いの)ます。アーメン

********************

1朗読 創世記3: 815 (4)

38その日、風の吹くころ、主なる神が園の中を歩く音が聞こえてきた。アダムと女が、主なる神の顔を避けて、園の木の間に隠れると、 9主なる神はアダムを呼ばれた。

「どこにいるのか。」

10彼は答えた。

「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」

11神は言われた。

「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」

12アダムは答えた。

「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」

13主なる神は女に向かって言われた。

「何ということをしたのか。」

女は答えた。

「蛇がだましたので、食べてしまいました。」

14主なる神は、蛇に向かって言われた。

「このようなことをしたお前は

あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で

呪われるものとなった。

お前は、生涯這いまわり、塵を食らう。

15お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に

わたしは敵意を置く。

彼はお前の頭を砕き

お前は彼のかかとを砕く。」

********************

2朗読  二コリント4:135:1 (329)

413「わたしは信じた。それで、わたしは語った」と書いてあるとおり、それと同じ信仰の霊を持っているので、わたしたちも信じ、それだからこそ語ってもいます。 14主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。 15すべてこれらのことは、あなたがたのためであり、多くの人々が豊かに恵みを受け、感謝の念に満ちて神に栄光を帰すようになるためです。

16だから、わたしたちは落胆しません。たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。 17わたしたちの一時の軽い艱難は、比べものにならないほど重みのある永遠の栄光をもたらしてくれます。 18わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。

51わたしたちの地上の住みかである幕屋が滅びても、神によって建物が備えられていることを、わたしたちは知っています。人の手で造られたものではない天にある永遠の住みかです。

********************

福音書  マルコ3:2035 (66)

320イエスが家に帰られると、群衆がまた集まって来て、一同は食事をする暇もないほどであった。 21身内の人たちはイエスのことを聞いて取り押さえに来た。「あの男は気が変になっている」と言われていたからである。 22エルサレムから下って来た律法学者たちも、「あの男はベルゼブルに取りつかれている」と言い、また、「悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言っていた。 23そこで、イエスは彼らを呼び寄せて、たとえを用いて語られた。「どうして、サタンがサタンを追い出せよう。 24国が内輪で争えば、その国は成り立たない。 25家が内輪で争えば、その家は成り立たない。 26同じように、サタンが内輪もめして争えば、立ち行かず、滅びてしまう。 27また、まず強い人を縛り上げなければ、だれも、その人の家に押し入って、家財道具を奪い取ることはできない。まず縛ってから、その家を略奪するものだ。 28はっきり言っておく。人の子らが犯す罪やどんな冒瀆の言葉も、すべて赦される。 29しかし、聖霊を冒瀆する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う。」 30イエスがこう言われたのは、「彼は汚れた霊に取りつかれている」と人々が言っていたからである。

31イエスの母と兄弟たちが来て外に立ち、人をやってイエスを呼ばせた。 32大勢の人が、イエスの周りに座っていた。「御覧なさい。母上と兄弟姉妹がたが外であなたを捜しておられます」と知らされると、 33イエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」と答え、 34周りに座っている人々を見回して言われた。「見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。 35神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」

********************

 

 

2021613日 聖霊降臨後第3主日 (緑)

********************

1朗読 エゼキエル17:2224 (1320)

2朗読 二コリント5: 610,1417又は5: 617 (330)

福 音 書 マルコ4:2634 (68)

********************

Of. 92(詩篇92:2-5,13-16

いかに(たの)しいことでしょう。

  (しゅ)(かん)(しゃ)さげるのは。

いと(たか)(かみ)よ、み()をほめ(うた)(あさ)ごとに、あなたの(いつく)しみを、()ごとに、あなたのまことを()(つた)えることは。

  (じゅう)(げん)(こと)()わせ(たて)(ごと)()わせ(こと)調(しら)べに()わせて、ほめ(うた)ことは。

(しゅ)よ、あなたはみ(わざ)(よろこ)(いわ)わせてくださいます。

  わたしはみ()(わざ)(よろこ)(うた)ます。

(かみ)(したが)(ひと)はなつめやしのように(しげ)り、レバノンの(すぎ)のようにそびえます。

  (しゅ)(いえ)()えられ、わたしたちの(かみ)(にわ)(しげ)ります。

(はく)(はつ)になってもなお()(むす)

  (いのち)(あふ)れ、いきいきとし、()(つた)えるでしょう

わたしの(いわ)(たの)(しゅ)(ただ)しい(かた)

  ()もとには()(せい)がない、と。

********************

Pr.

(かみ)(さま)。あなたは(ぜん)()(かい)(まも)る いのち の()です。(わたし)たちをあなたご()(しん)()()して、()(むす)び、あなたのまことと(あい)(ひつ)(よう)とする(ひと)びとに(とど)ける(もの)にしてください。(すく)(ぬし)(しゅ)イエス・キリストによって(いの)ます。アーメン

********************

1朗読 エゼキエル17:2224 (1320)

1722主なる神はこう言われる。わたしは高いレバノン杉の梢を切り取って植え、その柔らかい若枝を折って、高くそびえる山の上に移し植える。 23イスラエルの高い山にそれを移し植えると、それは枝を伸ばし実をつけ、うっそうとしたレバノン杉となり、あらゆる鳥がそのもとに宿り、翼のあるものはすべてその枝の陰に住むようになる。 24そのとき、野のすべての木々は、主であるわたしが、高い木を低くし、低い木を高くし、また生き生きとした木を枯らし、枯れた木を茂らせることを知るようになる。」主であるわたしがこれを語り、実行する。

********************

2朗読  二コリント5: 610,1417又は5: 617 (330)

56それで、わたしたちはいつも心強いのですが、体を住みかとしているかぎり、主から離れていることも知っています。 7目に見えるものによらず、信仰によって歩んでいるからです。 8わたしたちは、心強い。そして、体を離れて、主のもとに住むことをむしろ望んでいます。 9だから、体を住みかとしていても、体を離れているにしても、ひたすら主に喜ばれる者でありたい。 10なぜなら、わたしたちは皆、キリストの裁きの座の前に立ち、善であれ悪であれ、めいめい体を住みかとしていたときに行ったことに応じて、報いを受けねばならないからです。

 

11主に対する畏れを知っているわたしたちは、人々の説得に努めます。わたしたちは、神にはありのままに知られています。わたしは、あなたがたの良心にもありのままに知られたいと思います。 12わたしたちは、あなたがたにもう一度自己推薦をしようというのではありません。ただ、内面ではなく、外面を誇っている人々に応じられるように、わたしたちのことを誇る機会をあなたがたに提供しているのです。 13わたしたちが正気でないとするなら、それは神のためであったし、正気であるなら、それはあなたがたのためです。)

 

14なぜなら、キリストの愛がわたしたちを駆り立てているからです。わたしたちはこう考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人も死んだことになります。 15その一人の方はすべての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。

16それで、わたしたちは、今後だれをも肉に従って知ろうとはしません。肉に従ってキリストを知っていたとしても、今はもうそのように知ろうとはしません。 17だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。

********************

福音書  マルコ4:2634 (68)

426また、イエスは言われた。「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、 27夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。 28土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。 29実が熟すと、早速、鎌を入れる。収穫の時が来たからである。」

30更に、イエスは言われた。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。 31それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、 32蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」

33イエスは、人々の聞く力に応じて、このように多くのたとえで御言葉を語られた。 34たとえを用いずに語ることはなかったが、御自分の弟子たちにはひそかにすべてを説明された。

********************

 

 

2021620日 聖霊降臨後第4主日 (緑)

********************

1朗読 ヨブ38: 111 (826)

2朗読 二コリント6: 113 (331)

福 音 書 マルコ4:3541 (68)

********************

Of. 107(詩篇107:1-3,23-32

(めぐ)(ふか)(しゅ)(かん)(しゃ)せよ、(いつく)しみはとこしえに」。

  (しゅ)(あがな)われた(ひと)(びと)(とな)えよ

(しゅ)(くる)しめる(もの)()から(かれ)らを(あがな)(くに)(ぐに)(なか)から(あつ)めてくださった。

  (ひがし)から西(にし)から、(きた)から(みなみ)から、

(かれ)らは、(うみ)(ふね)()(おお)(うみ)(わた)って(あきな)(もの)となった。

  (かれ)らは(ふか)(ふち)(しゅ)のみ(わざ)を、(おどろ)くべきみ(わざ)()

(しゅ)(おお)せによって(あらし)()こし(なみ)(たか)されたので、(かれ)らは(てん)(のぼ)り、(しん)(えん)(くだ)り、()(なん)(たましい)()

  ()った(ひと)のようによろめき、()らぎ、どのような()()()()まれてまった。

()(なん)(なか)から(しゅ)(たす)けを(もと)めて(さけ)と、

  (しゅ)(かれ)らを(くる)しみから(みちび)()された

(しゅ)(あらし)(はたら)きかけて(ちん)(もく)させられたので、(なみ)はおさまった。

  (かれ)らは(なみ)(しず)まったので(よろこ)(いわ)(のぞ)みの(みなと)(みちび)かれて()った

(しゅ)(かん)(しゃ)よ。(しゅ)(いつく)しみ(ふか)

  (ひと)()らに(おどろ)くべき(わざ)()()げられる

(たみ)(しゅう)(かい)(しゅ)をあがめよ。

  (ちょう)(ろう)(つど)いで(しゅ)(さん)()せよ。

********************

Pr.

すべてのものの(つく)(ぬし)(えい)(えん)(かがや)(かみ)(さま)。あなたは(うみ)(りく)(おさ)め、(ひかり)(かぜ)(つかさど)られます。(つよ)()()(みちび)(まも)り、あなたの()()(さと)してください。(すく)(ぬし)(しゅ)イエス・キリストによって(いの)ります。アーメン

********************

1朗読 ヨブ38: 111 (826)

381主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。

2これは何者か。

知識もないのに、言葉を重ねて

神の経綸を暗くするとは。

3男らしく、腰に帯をせよ。

わたしはお前に尋ねる、わたしに答えてみよ。

4わたしが大地を据えたとき

お前はどこにいたのか。

知っていたというなら

理解していることを言ってみよ。

5誰がその広がりを定めたかを知っているのか。

誰がその上に測り縄を張ったのか。

6基の柱はどこに沈められたのか。

誰が隅の親石を置いたのか。

7そのとき、夜明けの星はこぞって喜び歌い

神の子らは皆、喜びの声をあげた。

8海は二つの扉を押し開いてほとばしり

母の胎から溢れ出た。

9わたしは密雲をその着物とし

濃霧をその産着としてまとわせた。

10しかし、わたしはそれに限界を定め

二つの扉にかんぬきを付け

11「ここまでは来てもよいが越えてはならない。

高ぶる波をここでとどめよ」と命じた。

********************

2朗読  二コリント6: 113 (331)

61わたしたちはまた、神の協力者としてあなたがたに勧めます。神からいただいた恵みを無駄にしてはいけません。 2なぜなら、

「恵みの時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。

救いの日に、わたしはあなたを助けた」

と神は言っておられるからです。今や、恵みの時、今こそ、救いの日。 3わたしたちはこの奉仕の務めが非難されないように、どんな事にも人に罪の機会を与えず、 4あらゆる場合に神に仕える者としてその実を示しています。大いなる忍耐をもって、苦難、欠乏、行き詰まり、 5鞭打ち、監禁、暴動、労苦、不眠、飢餓においても、 6純真、知識、寛容、親切、聖霊、偽りのない愛、 7真理の言葉、神の力によってそうしています。左右の手に義の武器を持ち、 8栄誉を受けるときも、辱めを受けるときも、悪評を浴びるときも、好評を博するときにもそうしているのです。わたしたちは人を欺いているようでいて、誠実であり、 9人に知られていないようでいて、よく知られ、死にかかっているようで、このように生きており、罰せられているようで、殺されてはおらず、 10悲しんでいるようで、常に喜び、貧しいようで、多くの人を富ませ、無一物のようで、すべてのものを所有しています。

11コリントの人たち、わたしたちはあなたがたに率直に語り、心を広く開きました。 12わたしたちはあなたがたを広い心で受け入れていますが、あなたがたは自分で心を狭くしています。 13子供たちに語るようにわたしは言いますが、あなたがたも同じように心を広くしてください。

********************

福音書  マルコ4:3541 (68)

435その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。 36そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。 37激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。 38しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。 39イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。 40イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」 41弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。

********************

 

 

2021627日 聖霊降臨後第5主日 (緑)

********************

1朗読 哀歌3:2233 (1289)

2朗読 二コリント8: 715 (334)

福 音 書 マルコ5:2143 (70)

********************

Of. 30(詩篇30:2-6

(しゅ)よ、あなたをあがめます。あなたは(てき)(よろこ)ばせることなく、わたしを()()げてくださいました。

  わたしの(かみ)(しゅ)よ。(さけ)(もと)めるわたしをあなたは(いや)してくださいました。

(しゅ)よ、あなたはわたしの(たましい)()()から()()(はか)(あな)(くだ)ことを(まぬか)れさせ

  わたしに(いのち)()させてくださった。

(しゅ)(いつく)しみに()きる(ひと)(びと)よ、(しゅ)(さん)()(うた)をうたい、(せい)なるみ()(とな)え、(かん)(しゃ)をささげよ。

  (しゅ)はひとときお(いか)なっても、(いのち)()させることをみ(むね)としてくださる。

 ()ながら(よる)()ごす(ひと)にも、

  (よろこ)びの(うた)(とも)(あさ)(むか)させてくださる。

(へい)(おん)なときには、(もう)しました

  「わたしはとこしえに()らぐことがない」と。

(しゅ)よ、あなたが()(むね)によって(とりで)(やま)()たせてくださったからです。

  しかし、()(かお)(かく)されると、わたしはたちまち(きょう)()(おちい)りました。

(しゅ)よ、わたしはあなたを()ます。

  (しゅ)(あわ)れみを()います。

わたしが()んで(はか)(くだ)ることに(なん)(えき)があるでしょう。

  (ちり)があなたに(かん)(しゃ)をささげ、あなたのまことを()()らせるでしょうか。

(しゅ)よ、(みみ)(かたむ)け、(あわ)れんでください。

  (しゅ)よ、わたしの(たす)けとなってください。

あなたはわたしの(なげ)きを(おど)りに()

  (あら)(ぬの)()がせ、(よろこ)びを(おび)としてくださいました。

わたしの(たましい)があなたをほめ(うた)

  (ちん)(もく)することのないようにしてくださいました。

わたしの(かみ)(しゅ)

  とこしえにあなたに(かん)(しゃ)をささげます。

********************

Pr.

(あわ)れみ(ふか)(ぜん)(のう)(かみ)(さま)。あなたの(たみ)(いの)りを()いてください。あらゆる()(がい)から(わたし)たちを(かた)(まも)り、(しん)(こう)()(ぼう)のうちに(わたし)たちを(せい)(ちょう)させてください。(すく)(ぬし)(しゅ)イエス・キリストによって(いの)ります。アーメン

********************

1朗読 哀歌3:2233 (1289)

322主の慈しみは決して絶えない。

主の憐れみは決して尽きない。

23それは朝ごとに新たになる。

「あなたの真実はそれほど深い。

24主こそわたしの受ける分」とわたしの魂は言い

わたしは主を待ち望む。

25主に望みをおき尋ね求める魂に

主は幸いをお与えになる。

26主の救いを黙して待てば、幸いを得る。

27若いときに軛を負った人は、幸いを得る。

28軛を負わされたなら

黙して、独り座っているがよい。

29塵に口をつけよ、望みが見いだせるかもしれない。

30打つ者に頬を向けよ

十分に懲らしめを味わえ。

31主は、決して

あなたをいつまでも捨て置かれはしない。

32主の慈しみは深く

懲らしめても、また憐れんでくださる。

33人の子らを苦しめ悩ますことがあっても

それが御心なのではない。

********************

2朗読  二コリント8: 715 (334)

87あなたがたは信仰、言葉、知識、あらゆる熱心、わたしたちから受ける愛など、すべての点で豊かなのですから、この慈善の業においても豊かな者となりなさい。

8わたしは命令としてこう言っているのではありません。他の人々の熱心に照らしてあなたがたの愛の純粋さを確かめようとして言うのです。 9あなたがたは、わたしたちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は豊かであったのに、あなたがたのために貧しくなられた。それは、主の貧しさによって、あなたがたが豊かになるためだったのです。 10この件についてわたしの意見を述べておきます。それがあなたがたの益になるからです。あなたがたは、このことを去年から他に先がけて実行したばかりでなく、実行したいと願ってもいました。 11だから、今それをやり遂げなさい。進んで実行しようと思ったとおりに、自分が持っているものでやり遂げることです。 12進んで行う気持があれば、持たないものではなく、持っているものに応じて、神に受け入れられるのです。 13他の人々には楽をさせて、あなたがたに苦労をかけるということではなく、釣り合いがとれるようにするわけです。 14あなたがたの現在のゆとりが彼らの欠乏を補えば、いつか彼らのゆとりもあなたがたの欠乏を補うことになり、こうして釣り合いがとれるのです。

15「多く集めた者も、余ることはなく、

わずかしか集めなかった者も、

不足することはなかった」

と書いてあるとおりです。

********************

福音書  マルコ5:2143 (70)

521イエスが舟に乗って再び向こう岸に渡られると、大勢の群衆がそばに集まって来た。イエスは湖のほとりにおられた。 22会堂長の一人でヤイロという名の人が来て、イエスを見ると足もとにひれ伏して、 23しきりに願った。「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」 24そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。

大勢の群衆も、イエスに従い、押し迫って来た。 25さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。 26多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。 27イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。 28「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。 29すると、すぐ出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。 30イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。 31そこで、弟子たちは言った。「群衆があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」 32しかし、イエスは、触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。 33女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。 34イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」

35イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすには及ばないでしょう。」 36イエスはその話をそばで聞いて、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われた。 37そして、ペトロ、ヤコブ、またヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれもついて来ることをお許しにならなかった。 38一行は会堂長の家に着いた。イエスは人々が大声で泣きわめいて騒いでいるのを見て、 39家の中に入り、人々に言われた。「なぜ、泣き騒ぐのか。子供は死んだのではない。眠っているのだ。」 40人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスは皆を外に出し、子供の両親と三人の弟子だけを連れて、子供のいる所へ入って行かれた。 41そして、子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは、「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。 42少女はすぐに起き上がって、歩きだした。もう十二歳になっていたからである。それを見るや、人々は驚きのあまり我を忘れた。 43イエスはこのことをだれにも知らせないようにと厳しく命じ、また、食べ物を少女に与えるようにと言われた。

********************