2020年12月31日木曜日

元旦礼拝 週報 ショート・メッセージ



 


「A.D.」2021年おめでとう!

 明けましておめでとうございます。

 今年は「西暦2021年」になりました。日本では通常「西暦」といいますが、西欧諸国での表記では「A.D.〇〇年」と表記します。このA.D.は、「Anno Domini」というラテン語の頭文字からとられています。意味は「主の年」、つまり「主なるキリストの年」ということになり、キリストがお生まれになった年を「起源」とした数え方から来ています。つまり、日本から見たら「西洋の暦」なので「西暦」だったのですが、その意味するところは「キリストがお生まれになってから何年」ということになります。クリスチャンが少ない国ですが、みんな知らずに「キリスト起源何年」と数えていたのですね。教会の私たちも「キリストから2021年目、おめでとうございます!」とあいさつしたいところですね。

しかし、ご存じのようにイエス様は紀元前4年にお生まれになったと、教会でも学校の歴史でも教えます。キリスト教社会がキリスト生誕の年をさかのぼって計算してキリスト起源の暦を決めた後に、数年ずれていたということが明らかになったためといわれています。「A.D.」に対して、紀元前は「B.C」と呼ばれますが、これはわかりやすく「Before Christ」の頭文字で、「キリスト以前」という意味です。

 しかし、19世紀以降は、キリスト教中心の文化や世界観を他民族・他宗教の文化に押し付けず、配慮して客観的な呼び方をするために「A.D.」を「C.E.」、つまり「Common Era(共通起源)」に、「B.C.」を「Before Century(世紀以前の略)」と捉えなおしたり、「B.C.E.」つまり「Before Common Era(共通起源前)」と呼び変えるように切り替える動きも広がっています。「赤十字社」を国により「赤新月社」とも呼ぶのと似ているのかもしれません。

 ちなみに日本のキリスト教会は、「人の上に人を位置づけてあがめる風潮があり、時に神のようにあがめることを強制された天皇制」を肯定する暦であるために、「日本の元号」をあまり好んで用いません。ブラジルはもちろん「西暦」でしたから、「平成」の途中から私は「ことしは平成何年なんだろう?」と、わからなくなってしまいました。そんなこともあり、「平成」の表記しかなかった日本の運転免許をブラジルにいたころうっかり失効してしまったという失敗談があります。

 さて、数年ずれているかもわかりませんが、「キリストがお生まれになってから2021年目」をしっかりと、「キリストと共に」生きていきたいですね。今年もよろしくお願いします。徳弘浩隆

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