今週の聖書の言葉
福音書 マタイ 25:31~46 (新50)
31「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。
32そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、
33羊を右に、山羊を左に置く。
説教(解説)「「天国への進路指導」」 徳弘浩隆師
1.
3者面談ならぬ…
教会の年度末の日曜日を数回過ごしながら、聖書の中の「世の終わり」や「天国のたとえ」を読んできました。それはどんな風にやってくるので、どんな準備が必要か。何に注意をしないといけないか。「その日」はいつやってくるのかなど、読んできました。さしずね、天国に入るための進路指導を受けているように思いました。あるいは、試験を直前にしての対策講座のようにも思います。
さて、私たちが、世の終わり、人生の終わりを迎えるときに、準備ができているでしょうか?前もって指導を受けるために、3者面談ならぬ、父・子・聖霊なる神との4者面談はないのでしょうか?あらかじめわかったら安心ですし、ここがテストに出るとか、何かのコツや秘訣を教えてもらえると楽だからですね。
2.
聖書を学びましょう
聖書は、「天の国はどういうものか」というイエス様のたとえ話を学んできた後、いよいよ、最後の審判の様子を説明されている場所になります。
キリストがもう一度来られて、王座につき、すべての国の民がその前に集められます。そして、羊飼いが羊を右側にヤギを左側に分けるように、人々を右と左に分けていくというのです。
右側にいる人たちは褒められ、神の国を受け継ぐようにと言います。それに対して、左側にいる人たちには裁かれ、永遠の火に入れといわれてします。
彼らの差は何でしょうか。それは、今日のたとえではこうなります。「わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ」と。
しかし、右に分けられた人も、左に分けられた人も、すぐには合点がいきません。なぜならそれぞれ、自分がイエス様に対して、褒めてもらえるそんな善い行いをした覚えがなかったからです。彼らはそんな覚えはないがと尋ねます。しかし、イエス様はこう答えられるのでした。「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」と。
3.
振り返り
これが、いわば今日のイエス様の「進路指導」です。そこで私たちはこう思うでしょう。「困っている人や苦しんでいる人たちのために愛の行いをすれば、天国に入れてもらえる条件になるんだ。では、そうすることにしよう」と。進路指導の先生に、必ず合格する秘訣とポイントを教えてもらったから、合格するためにここを重点的に抑えておこうと思うでしょう。しかし、それは大きな過ちを含んでいます。
私たちが人に良い事をするとき、愛の奉仕をするとき、それが、自分が試験に合格するための条件だと思うなら、それは救いを買い取るための、行いによる条件ということになるからです。今日のたとえ話はそのことを勧めているわけではありません。なぜなら、右に分けられ救われる人も、左に分けられ裁きを告げられる人も、「そんなことをしたことは身に覚えがありませんが」と尋ねるからです。
私たちが自分の努力や行いによって救われるのなら、そこに注力すればよいのですが、そうではなくて、神様は、私たちの意図的な自分のための施しではない、身に覚えのないことを見ておられるのです。
最後のキーワードと思える「私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、私にしたのと同じ」というのは、10章40-42節の言葉と重ね合わせて読み解くと、福音伝道者のことを念頭に置いていると考えられるのです。となればそれは、教会の務めを担うものに対する、というより、教会の聖なる働きそのものに対する小さな支援、愛の応援ということになるのです。
4、勧め
自分が救われるために、人に良い事をするのではありません。私がキリストによって救われたから、人にも愛のある援助や奉仕をするという順序が大切なのです。そして、それらすべての働きの大本の、キリストの働き、教会の奉仕や伝道の働きに少しでも参加すること、それが勧められています。イエスキリストのなさった多くの愛の働きは大きすぎて一人では担えません。私たちの教会にも、色々な祈りやかかわりをもって取り組んでいる、色々な働きがあり勧められてきました。また、今も手探りで始めてもいます。わたしたちそれぞれが、救われた喜びから、互いを尊重し合いながら、手分けをして、それぞれにかかわり、祈り、手を伸ばす生き方、それを続けていきましょう。神様の目から見ればすべての教会はまだ不完全です。あなたの祈りや力を必要としています。もっと良くなるでしょう。参加してみませんか?自分の人生も変えられ、社会は生まれ変わっていくでしょう。
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