2020年4月12日日曜日

週報 20200412 復活日

日曜日の「週報」と「説教の原稿」を掲載します。来週からは、家庭礼拝キットと共に、翌週日曜日の説教原稿入り週報を、水曜日までに準備して掲載、また、教会メンバーに相互牧会チームが手分けしてお届けする予定です。
こういう時ですから、場所は違っても、心を合わせて礼拝し、祈りましょう。






説教 20200412イースター「復活の日」

1.   導入
(ア)私が今日申し上げたいのは、私たちはこれまでとはまったく異なるイースターを過ごすことになる、というものです。もちろん、キリスト教徒は受難日(金曜日)と復活祭を祝うことでしょう。でもほかの信者と共に教会に集まることはできません。この数週間、各教会がテレビやラジオ、インターネットを通して素晴らしい礼拝を多くの人々に届けてくれていることを嬉しく思います。イースター期間中はさらに増えることでしょう。
(イ)これは、ドイツのメルケル首相の最近のメッセージです。彼女は、旧東ドイツ出身で父親はルター派教会の牧師、本人は政治家としてはキリスト教民主同盟(CDU)の党首です。国の指導者として、今回の件でも随分と評判が上がっています。以前にも非常事態宣言を出したときのメッセージがとても分かりやすく、みんなの気持ちも汲んでくれて、共感を呼びました。
(ウ)世界中が新しい感染症の恐怖におびえているときに、私たちはいろいろなことを考えさせられます。不安や、絶望、恐怖、それは行き先のない怒りとなり、家庭内暴力や、無責任な批判、他民族の排除等、悲しい人間の罪をもあらわにします。
(エ)40日間の悔い改めの期間、四旬節が終わり、今日は希望の復活祭、イースターを迎えましたが、この混乱を生きている私たちに、希望はどこに見つけることができるでしょうか?今日の聖書は私たちに何を語るのでしょうか?
2.   聖書
(ア)イエス様が十字架にかけられ、息を引き取って、墓に葬られたのが金曜日でした。弟子たちは逃げ、隠れ、辛い、苦しい日を過ごしたでしょう。希望が絶望に代わり、期待は諦めに代わり、今までの自分のイエス様との数年間を意味がなかったかのように後悔し、恥ずかしくも思っていたかもしれません。誰かを責め、自分をも責めていたかもしれません。
(イ)どこに行って何をしたらよいのか分らない。そして、迫害の手を恐れて、静かにドアを閉めて、家の中に閉じこもっていたでしょう。
(ウ)マグダラのマリアは勇気を出して、墓に行ってみました。しかし、そこにも思い出や希望はありませんでした。むしろ、墓の蓋はこじ開けられ、イエス様の亡骸もなくなってしまっていました。
(エ)なんということでしょう。思い出と寄りすがるべき亡骸すら、荒らされて、なくなっていたのです。ペテロともう一人の弟子にも伝え、彼らは驚いて墓に行き、空っぽになった墓を確みます。
(オ)しかし、それは誤りでした。「イエスは必ず死者の中から復活されることになっているという聖書の言葉を、二人はまだ理解していなかったのである」と聖書は説明しています。マリアも、イエス様が前もって話しておられたことを忘れてしまっていたから、そう思い込んで、悲しんで、泣いていたのです。
(カ)「婦人よ、なぜ泣いているのか。誰を探しているのか」という声がかけられ、振り向くとそこにはイエス様が立っておられたのです。会話の後、それがイエス様だと気付き、彼女は喜び、弟子たちのところへ行って、それを伝えました。
(キ)イエス様が死から復活した、ということを信じ、喜び、伝えた最初の証言でした。
(ク)その日から、彼らの生活は変わります。信仰も変わります。新しいことが始まりだすのでした。
3.   振り返り
(ア)彼らは、イエス様からあらかじめ言われていて、知っていたのに、それを忘れ、絶望し悲しんでいました。恐れて部屋に閉じこもっていました。
(イ)今の私たちの生活はどうでしょうか?神様の約束を忘れて、ただ恐ろしいからという理由で部屋に閉じこもっていませんか?そうなら、ますます、怖くなり、不安になり、怒りや絶望にさいなまれてしまいます。
(ウ)神様のことばを聞き、知っているのに、それに従わず、過ちを繰り返し、絶望の中で閉じこもっているのが、わたし達罪人の姿です。今こそ、神の言葉を思い出し、悔い改めて、生き方を変え、苦しんでいる人に愛の手を差し伸べ、祈りあう時です。
4.   エピソード
(ア)今日は復活の日、イースターです。私はふと思い出して、数十年前、1980年の「復活の日」という映画を見ました。細菌兵器が流出して世界中に感染が広がり、唯一感染していない南極の各国の観測隊だけが生き残ります。国と国はそんな中でも争い、互いを恐れ、人間が滅んだ直後に、当時の米ソの自動報復システムが作動してしまい、核ミサイルが世界主要都市と、南極観測地をも襲います。「人類は二度死んだ」と嘆きます。不思議ないきさつで生き残った人たちが再会を果たし、新しい人類の歴史が始まる…という筋書きでした。
(イ)昔見たのですが、もう一度見てみると、恐ろしいほどに、すべて、フィクションですが予想されていたことが今起こっています。各国で厳戒令が出され、宗教団体は必死に祈り、医療崩壊し、夜の繁華街でも蔓延し、やがて自衛隊が路上に積まれた遺体を火炎放射器で処理します。南極観測隊員の一人の俳優は、元千葉県知事の森田健作さんでした。
(ウ)私たちは何を学んでいたのでしょうか?こういう筋書きがフィクションではあれ、ありうる話として、知っていたので、厳重な対策をせねばならないのですが、どうだったでしょうか。
(エ)でもこの映画は教えてくれます。主題歌の中でこう打っているからです。It’s not too late to start againと。やり直すのにはまだ遅くない。
5.   勧め
(ア)イエス様の復活も前もって知っていたのに、それを忘れ、恐怖で部屋に閉じこもった弟子たちになってはいけません。神の愛と救いを信じる信仰が必要です。
(イ)しかし、悔い改めも必要です。ただお願いしても奇跡は起こりません。悔い改めは、私たちの生き方の変革です。私たちの教会では、独自の「悔い改めの祈り」をしていますが、自然破壊や行き過ぎた開発と経済発展競争で、愛や節度がなくなっている世界、これを自分から、愛と思いやりの生き方に変えていかねばなりません。
(ウ)部屋に閉じこもる生活が続きますが、信仰と祈り、悔い改めがあれば、「まだ遅くはない、やり直すことができる」出口を神様が示し実現してくださるでしょう。
(エ)キリストは復活されましたが、部屋に閉じこもり、疑い、迷う弟子たちの生活はしばらく続きました。私たちも、しばらく感染拡大予防のために、部屋に閉じこもります。日曜日に同じ場所で礼拝できなくなりますが、同じ時間に、インターネットを通じて、または家庭礼拝キットを用いて、それぞれの場所で祈りましょう。
(オ)今日の詩篇118篇にあり、聖餐式のたびに互いに唱えていたように、「主は恵み深く、その慈しみは絶えることがない」のです。祈りましょう。

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