2022年4月
2022年4月3日 四旬節第5主日 (紫)
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第1朗読 イザヤ43:16~21
(旧1131)
第2朗読 フィリピ3:4b~14
(新364)
福 音 書 ヨハネ12: 1~ 8 (新191)
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Of. 126 (詩編126:1-6)
主がシオンの捕われ人を連れ帰られると聞いて、
わたしたちは夢を見ている人のようになった。
そのときには、わたしたちの口に笑いが、舌に喜びの歌が満ちる。
そのときには、国々も言う、「主はこの人々に、大きな業を成し遂げられた。」
主よ、わたしたちのために、大きな業を成し遂げてください。
わたしたちは喜び歌います。
主よ、ネゲブに川の流れを導くように、
わたしたちの捕われ人を連れ帰ってください。
涙と共に種を蒔く人は、
喜びの歌と共に刈り入れる。
種の袋を背負い、泣きながら出て行った人は、
束ねた穂を背負い、喜びの歌をうたいながら帰ってくる。
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Pr.
創造主(創り主)である神様。あなたは私たちの荒れ野に新しい道を拓き、恵みの水を砂漠に注がれます。新しい御業によって造り変え、尽きることのないあなたの愛を宣べ伝えることができるようにしてください。あなたと聖霊とともにただ独りの神、永遠の支配者、御子、主イエス・キリストによって祈ります。アーメン
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第1朗読 イザヤ43:16~21
(旧1131)
43: 16主はこう言われる。
海の中に道を通し
恐るべき水の中に通路を開かれた方
17戦車や馬、強大な軍隊を共に引き出し
彼らを倒して再び立つことを許さず
灯心のように消え去らせた方。
18初めからのことを思い出すな。
昔のことを思いめぐらすな。
19見よ、新しいことをわたしは行う。
今や、それは芽生えている。
あなたたちはそれを悟らないのか。
わたしは荒れ野に道を敷き
砂漠に大河を流れさせる。
20野の獣、山犬や駝鳥もわたしをあがめる。
荒れ野に水を、砂漠に大河を流れさせ
わたしの選んだ民に水を飲ませるからだ。
21わたしはこの民をわたしのために造った。
彼らはわたしの栄誉を語らねばならない。
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第2朗読 フィリピ3:4b~14
(新364)
3:4bだれかほかに、肉に頼れると思う人がいるなら、わたしはなおさらのことです。 5わたしは生まれて八日目に割礼を受け、イスラエルの民に属し、ベニヤミン族の出身で、ヘブライ人の中のヘブライ人です。律法に関してはファリサイ派の一員、
6熱心さの点では教会の迫害者、律法の義については非のうちどころのない者でした。 7しかし、わたしにとって有利であったこれらのことを、キリストのゆえに損失と見なすようになったのです。
8そればかりか、わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。キリストのゆえに、わたしはすべてを失いましたが、それらを塵あくたと見なしています。キリストを得、
9キリストの内にいる者と認められるためです。わたしには、律法から生じる自分の義ではなく、キリストへの信仰による義、信仰に基づいて神から与えられる義があります。
10わたしは、キリストとその復活の力とを知り、その苦しみにあずかって、その死の姿にあやかりながら、 11何とかして死者の中からの復活に達したいのです。
12わたしは、既にそれを得たというわけではなく、既に完全な者となっているわけでもありません。何とかして捕らえようと努めているのです。自分がキリスト・イエスに捕らえられているからです。
13兄弟たち、わたし自身は既に捕らえたとは思っていません。なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、
14神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。
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福音書 ヨハネ12: 1~ 8 (新191)
12: 1過越祭の六日前に、イエスはベタニアに行かれた。そこには、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロがいた。
2イエスのためにそこで夕食が用意され、マルタは給仕をしていた。ラザロは、イエスと共に食事の席に着いた人々の中にいた。
3そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった。
4弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った。 5「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」
6彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。
7イエスは言われた。「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。 8貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。」
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2022年4月10日 四旬節第6主日/主のエルサレム入城(枝の主日)(紫/赤)
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第1朗読 (イザヤ50: 4~9a)(旧1145)
第2朗読 (フィリピ2: 5~11)(新363)
福 音 書 ルカ19:28~40 (新147)
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Of. 118改1 (詩編118:1-2&19-29)
恵み深い主に感謝せよ。慈しみはとこしえに。
イスラエルは言え。慈しみはとこしえに。
正義の城門を開け、わたしは入って主に感謝しよう。
これは主の城門、主に従う人はここを入る。
主よ、わたしはあなたに感謝をささげる、
あなたは答え、救いを与えてくださった。
家を建てる者の退けた石が、隅の親石となった。
これは主のみ業、わたしたちの目には驚くべきこと。
今日こそ主のみ業の日、
今日を喜び祝い、喜び躍ろう。
どうか主よ、わたしたちに救いを。
どうか主よ、わたしたちに栄えを。
祝福あれ、主のみ名によって来る人に。
わたしたちは主の家からあなたたちを祝福する。
主こそ神、私たちに光をお与えになる方。
祭壇の角のところまで、祭りのいけにえを綱で引け。
あなたはわたしの神、あなたに感謝をささげる。
わたしの神よ、あなたをあがめる。
恵み深い主に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
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Pr.
いと高き神様。あなたは御子の僕の姿によって人の心を新たに定められました。日ごとに御子を主と告白し、賛美する喜びの列に加わることができますように。あなたと聖霊とともにただ独りの神、永遠の支配者、御子、主イエス・キリストによって祈ります。アーメン
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第1朗読 (イザヤ50: 4~9a)(旧1145)
50: 4主なる神は、弟子としての舌をわたしに与え
疲れた人を励ますように
言葉を呼び覚ましてくださる。
朝ごとにわたしの耳を呼び覚まし
弟子として聞き従うようにしてくださる。
5主なる神はわたしの耳を開かれた。
わたしは逆らわず、退かなかった。
6打とうとする者には背中をまかせ
ひげを抜こうとする者には頬をまかせた。
顔を隠さずに、嘲りと唾を受けた。
7主なる神が助けてくださるから
わたしはそれを嘲りとは思わない。
わたしは顔を硬い石のようにする。
わたしは知っている
わたしが辱められることはない、と。
8わたしの正しさを認める方は近くいます。
誰がわたしと共に争ってくれるのか
われわれは共に立とう。
誰がわたしを訴えるのか
わたしに向かって来るがよい。
9見よ、主なる神が助けてくださる。
誰がわたしを罪に定めえよう。
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第2朗読 (フィリピ2: 5~11)(新363)
2: 5互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにもみられるものです。 6キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、 7かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、
8へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。 9このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。
10こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、 11すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。
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福音書 ルカ19:28~40 (新147)
19: 28イエスはこのように話してから、先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。 29そして、「オリーブ畑」と呼ばれる山のふもとにあるベトファゲとベタニアに近づいたとき、二人の弟子を使いに出そうとして、 30言われた。「向こうの村へ行きなさい。そこに入ると、まだだれも乗ったことのない子ろばのつないであるのが見つかる。それをほどいて、引いて来なさい。
31もし、だれかが、『なぜほどくのか』と尋ねたら、『主がお入り用なのです』と言いなさい。」 32使いに出された者たちが出かけて行くと、言われたとおりであった。 33ろばの子をほどいていると、その持ち主たちが、「なぜ、子ろばをほどくのか」と言った。
34二人は、「主がお入り用なのです」と言った。 35そして、子ろばをイエスのところに引いて来て、その上に自分の服をかけ、イエスをお乗せした。
36イエスが進んで行かれると、人々は自分の服を道に敷いた。
37イエスがオリーブ山の下り坂にさしかかられたとき、弟子の群れはこぞって、自分の見たあらゆる奇跡のことで喜び、声高らかに神を賛美し始めた。
38「主の名によって来られる方、王に、
祝福があるように。
天には平和、
いと高きところには栄光。」
39すると、ファリサイ派のある人々が、群衆の中からイエスに向かって、「先生、お弟子たちを叱ってください」と言った。
40イエスはお答えになった。「言っておくが、もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす。」
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*《この日の礼拝を「枝の主日(主のエルサレム入城)」の礼拝として行うとき、()内の第一朗読と第二朗読を用いる。この日を「主の受難」の主日として礼拝をするとき(推奨)、礼拝の始めに「受難から復活へ」に掲載されている「主のエルサレム入城」の典礼を行うことができる。その場合、この日は式文の「開会」or「招き」はこの典礼に替える。》
2022年4月10日 四旬節第6主日/主の受難 (紫/赤)
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第1朗読 イザヤ50: 4~9a
(旧1145)
第2朗読 フィリピ2: 5~11
(新363)
福 音 書 ルカ22:14~23:56
(新153)
又はルカ23: 1~49
(新157)
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Of. 31改1 (詩編31:10-17)
主よ、憐れんでください。わたしは苦しんでいます。
目も、魂も、はらわたも 苦悩のゆえに衰えていきます。
命は嘆きのうちに 年月は呻きのうちに尽きていきます。
罪のゆえに力はうせ 骨は衰えていきます。
わたしの敵は皆、わたしを嘲り 隣人も、激しく嘲ります。
親しい人々はわたしを見て恐れを抱き 外で会えば避けて通ります。
人の心はわたしを死者のように葬り去り 壊れた器と見なします。
ひそかな声が周囲に聞こえ 脅かすものが取り囲んでいます。
人々がわたしに対して陰謀をめぐらし 命を奪おうとたくらんでいます。
主よ、わたしはなお、あなたに信頼し「あなたこそわたしの神」と申します。
わたしにふさわしいときに、御手をもって 追い迫る者、敵の手から助け出してください。
あなたの僕に御顔の光を注ぎ 慈しみ深く、わたしをお救いください。
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Pr.
永遠の神様。あなたは人類への限りない愛によって御子イエス・キリストを肉として遣わし、十字架の死にあわせられました。御子の従順と復活の勝利に私たちもあずかることができますように。あなたと聖霊とともにただ独りの神、永遠の支配者、御子、主イエス・キリストによって祈ります。アーメン
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第1朗読 イザヤ50: 4~9a
(旧1145)
50: 4主なる神は、弟子としての舌をわたしに与え
疲れた人を励ますように
言葉を呼び覚ましてくださる。
朝ごとにわたしの耳を呼び覚まし
弟子として聞き従うようにしてくださる。
5主なる神はわたしの耳を開かれた。
わたしは逆らわず、退かなかった。
6打とうとする者には背中をまかせ
ひげを抜こうとする者には頬をまかせた。
顔を隠さずに、嘲りと唾を受けた。
7主なる神が助けてくださるから
わたしはそれを嘲りとは思わない。
わたしは顔を硬い石のようにする。
わたしは知っている
わたしが辱められることはない、と。
8わたしの正しさを認める方は近くいます。
誰がわたしと共に争ってくれるのか
われわれは共に立とう。
誰がわたしを訴えるのか
わたしに向かって来るがよい。
9見よ、主なる神が助けてくださる。
誰がわたしを罪に定めえよう。
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第2朗読 フィリピ2: 5~11
(新363)
2: 5互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにもみられるものです。 6キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、 7かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、
8へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。 9このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。
10こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、 11すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。
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福音書 ルカ22:14~23:56 (新153)
22: 14時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。
15イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。 16言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」 17そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。 18言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」 19それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」
20食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。
21しかし、見よ、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている。 22人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。」
23そこで使徒たちは、自分たちのうち、いったいだれが、そんなことをしようとしているのかと互いに議論をし始めた。
24また、使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論も起こった。 25そこで、イエスは言われた。「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と呼ばれている。 26しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。
27食事の席に着く人と給仕する者とは、どちらが偉いか。食事の席に着く人ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。
28あなたがたは、わたしが種々の試練に遭ったとき、絶えずわたしと一緒に踏みとどまってくれた。 29だから、わたしの父がわたしに支配権をゆだねてくださったように、わたしもあなたがたにそれをゆだねる。 30あなたがたは、わたしの国でわたしの食事の席に着いて飲み食いを共にし、王座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。」
31「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。
32しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」
33するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。 34イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」
35それから、イエスは使徒たちに言われた。「財布も袋も履物も持たせずにあなたがたを遣わしたとき、何か不足したものがあったか。」彼らが、「いいえ、何もありませんでした」と言うと、
36イエスは言われた。「しかし今は、財布のある者は、それを持って行きなさい。袋も同じようにしなさい。剣のない者は、服を売ってそれを買いなさい。
37言っておくが、『その人は犯罪人の一人に数えられた』と書かれていることは、わたしの身に必ず実現する。わたしにかかわることは実現するからである。」
38そこで彼らが、「主よ、剣なら、このとおりここに二振りあります」と言うと、イエスは、「それでよい」と言われた。
39イエスがそこを出て、いつものようにオリーブ山に行かれると、弟子たちも従った。 40いつもの場所に来ると、イエスは弟子たちに、「誘惑に陥らないように祈りなさい」と言われた。 41そして自分は、石を投げて届くほどの所に離れ、ひざまずいてこう祈られた。
42「父よ、御心なら、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のままに行ってください。」〔
43すると、天使が天から現れて、イエスを力づけた。 44イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られた。汗が血の滴るように地面に落ちた。〕
45イエスが祈り終わって立ち上がり、弟子たちのところに戻って御覧になると、彼らは悲しみの果てに眠り込んでいた。
46イエスは言われた。「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい。」
47イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人でユダという者が先頭に立って、イエスに接吻をしようと近づいた。
48イエスは、「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。 49イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。
50そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。 51そこでイエスは、「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れていやされた。
52それからイエスは、押し寄せて来た祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。
53わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」
54人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った。 55人々が屋敷の中庭の中央に火をたいて、一緒に座っていたので、ペトロも中に混じって腰を下ろした。 56するとある女中が、ペトロがたき火に照らされて座っているのを目にして、じっと見つめ、「この人も一緒にいました」と言った。
57しかし、ペトロはそれを打ち消して、「わたしはあの人を知らない」と言った。 58少したってから、ほかの人がペトロを見て、「お前もあの連中の仲間だ」と言うと、ペトロは、「いや、そうではない」と言った。
59一時間ほどたつと、また別の人が、「確かにこの人も一緒だった。ガリラヤの者だから」と言い張った。 60だが、ペトロは、「あなたの言うことは分からない」と言った。まだこう言い終わらないうちに、突然鶏が鳴いた。 61主は振り向いてペトロを見つめられた。ペトロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出した。
62そして外に出て、激しく泣いた。
63さて、見張りをしていた者たちは、イエスを侮辱したり殴ったりした。 64そして目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねた。
65そのほか、さまざまなことを言ってイエスをののしった。
66夜が明けると、民の長老会、祭司長たちや律法学者たちが集まった。そして、イエスを最高法院に連れ出して、
67「お前がメシアなら、そうだと言うがよい」と言った。イエスは言われた。「わたしが言っても、あなたたちは決して信じないだろう。
68わたしが尋ねても、決して答えないだろう。 69しかし、今から後、人の子は全能の神の右に座る。」
70そこで皆の者が、「では、お前は神の子か」と言うと、イエスは言われた。「わたしがそうだとは、あなたたちが言っている。」
71人々は、「これでもまだ証言が必要だろうか。我々は本人の口から聞いたのだ」と言った。
23: 1そこで、全会衆が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。
2そして、イエスをこう訴え始めた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」
3そこで、ピラトがイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになった。
4ピラトは祭司長たちと群衆に、「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。 5しかし彼らは、「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。
6これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、 7ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。ヘロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。
8彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。
9それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。 10祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。
11ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。 12この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。
13ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、 14言った。「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。
15ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。
16だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 17† 18しかし、人々は一斉に、「その男を殺せ。バラバを釈放しろ」と叫んだ。 19このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。
20ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。 21しかし人々は、「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫び続けた。
22ピラトは三度目に言った。「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」
23ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。 24そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。 25そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。
26人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。
27民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。 28イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。
29人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。
30そのとき、人々は山に向かっては、
『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、
丘に向かっては、
『我々を覆ってくれ』と言い始める。
31『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」
32ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。 33「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。
34〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。
35民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」
36兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、 37言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」
38イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。
39十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」
40すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。 41我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」 42そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。 43するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。
44既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 45太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。
46イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。 47百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。 48見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。
49イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。
50さて、ヨセフという議員がいたが、善良な正しい人で、 51同僚の決議や行動には同意しなかった。ユダヤ人の町アリマタヤの出身で、神の国を待ち望んでいたのである。
52この人がピラトのところに行き、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出て、 53遺体を十字架から降ろして亜麻布で包み、まだだれも葬られたことのない、岩に掘った墓の中に納めた。
54その日は準備の日であり、安息日が始まろうとしていた。 55イエスと一緒にガリラヤから来た婦人たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスの遺体が納められている有様とを見届け、
56家に帰って、香料と香油を準備した。
婦人たちは、安息日には掟に従って休んだ。
又はルカ23: 1~49
(新157)
23: 1そこで、全会衆が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。 2そして、イエスをこう訴え始めた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」
3そこで、ピラトがイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになった。
4ピラトは祭司長たちと群衆に、「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。 5しかし彼らは、「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。
6これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、 7ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。ヘロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。
8彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。
9それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。 10祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。
11ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。 12この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。
13ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、 14言った。「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。
15ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。
16だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 17† 18しかし、人々は一斉に、「その男を殺せ。バラバを釈放しろ」と叫んだ。 19このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。
20ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。 21しかし人々は、「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫び続けた。
22ピラトは三度目に言った。「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」
23ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。 24そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。 25そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。
26人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。
27民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。 28イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。
29人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。
30そのとき、人々は山に向かっては、
『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、
丘に向かっては、
『我々を覆ってくれ』と言い始める。
31『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」
32ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。 33「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。
34〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。
35民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」
36兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、 37言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」
38イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。
39十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」
40すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。 41我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」 42そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。 43するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。
44既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 45太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。 46イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。
47百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。 48見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。 49イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。
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2022年4月15日 聖金曜日(主の受難日) (紫/赤/黒)
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第1朗読 イザヤ52:13~53:12
(旧1149)
第2朗読 ヘブライ10:16~25 (新413)
又はヘブライ4:14~16,5:7~9 (新405)
福 音 書 ヨハネ18: 1~19:42 (新203)
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Of. 22 (詩編22:2-32)
わが神、わが神。なぜわたしをお見捨てになるのか。
なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず、呻きも言葉も聞いてくださらないのか。
わが神よ。昼は呼び求めても答えてくださらない。
夜も心の憩いがえられない。
だがあなたは聖所にいまし、
イスラエルの讃美を受ける方。
わたしたちの先祖はあなたに依り頼み、
あなたに依り頼んで救われた。
助けを求めてあなたに叫び、救い出され、
あなたに依り頼んで、裏切られなかった。
しかし、わたしは虫けら、とても人とはいえない。
人間の屑、民の恥。
わたしを見る人は皆、わたしを嘲笑い、
唇を突き出し、頭を振って言う。
「主に頼んで救ってもらうがよい。
主が愛しておられるなら、助けてくださるだろう。」
わたしを母の胎から取り出し、
その乳房にゆだねてくださったのはあなたです。
母がわたしをみごもったときから、わたしはあなたにすがってきました。
母の胎にあるときから、あなたはわたしの神。
わたしを遠く離れないでください。
苦難が近づき、助けてくれる者はいないのです。
雄牛が群がってわたしを囲み、
バシャンの猛牛がわたしに迫る。
獲物を前にした獅子のようにうなり、
牙をむいてわたしに襲いかかる者がいる。
わたしは水となって注ぎ出され、骨はことごとくはずれ、
心は胸の中で蝋のように溶ける。
口は渇いて素焼きのかけらとなり、舌は上顎にはり付く。
あなたはわたしを塵と死の中に打ち捨てられる。
犬どもがわたしを取り囲み、さいなむ者が群がってわたしを囲み、
獅子のようにわたしの手足を砕く。
骨が数えられる程になったわたしのからだを、
彼らはさらし者にして眺め、
わたしの着物を分け、
衣を取ろうとしてくじをひく。
主よ、あなただけは遠く離れないでください。
わたしの力の神よ、今すぐにわたしを救い出してください。
わたしの魂を剣から救い出し、
わたしの身を犬どもから救い出してください。
獅子の口、雄牛の角から、
わたしを救い、わたしに答えてください。
わたしは兄弟たちにみ名を語り伝え、
集会の中であなたを讃美します。
主を畏れる人々よ、主を讃美せよ。
ヤコブの子孫は皆、主に栄光を帰せよ。イスラエルの子孫は皆、主を恐れよ。
主は貧しい人の苦しみを決して侮らず、さげすまれず、
み顔を隠すことなく、助けを求める叫びを聞いてくださいます。
それゆえ、わたしは大いなる集会で、あなたに讃美をささげ、
神を畏れる人々の前で、感謝の献げ物をささげます。
貧しい人は食べて満ち足り、主を尋ね求める人は主を讃美します。
いつまでも健やかな命が与えられますように。
地の果てまで、すべての人が主を認め、みもとに立ち帰り、国々の民がみ前にひれ伏すように。
王権は主にあり、主は国々を治められます。
命に溢れてこの地に住む者はことごとく主にひれ伏し、
塵に下った者もすべてみ前に身を屈めます。
わたしの魂は必ず命を得、子孫は神に仕え、主のことを来たるべき代に語り伝え、
成し遂げてくださった恵みのみ業を、代々の民に必ず告げ知らせる。
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Pr.
全能の神様。あなたの家族である私たちのために主イエス・キリストは裏切りを受け入れ、罪人の手に渡され、十字架で苦しみ、死に至りました。私たちを憐れんでください。あなたと聖霊とともにただ独りの神、永遠の支配者、御子、主イエス・キリストによって祈ります。
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第1朗読 イザヤ52:13~53:12
(旧1149)
52: 13見よ、わたしの僕は栄える。
はるかに高く上げられ、あがめられる。
14かつて多くの人をおののかせたあなたの姿のように
彼の姿は損なわれ、人とは見えず
もはや人の子の面影はない。
15それほどに、彼は多くの民を驚かせる。
彼を見て、王たちも口を閉ざす。
だれも物語らなかったことを見
一度も聞かされなかったことを悟ったからだ。
53: 1わたしたちの聞いたことを、誰が信じえようか。
主は御腕の力を誰に示されたことがあろうか。
2乾いた地に埋もれた根から生え出た若枝のように
この人は主の前に育った。
見るべき面影はなく
輝かしい風格も、好ましい容姿もない。
3彼は軽蔑され、人々に見捨てられ
多くの痛みを負い、病を知っている。
彼はわたしたちに顔を隠し
わたしたちは彼を軽蔑し、無視していた。
4彼が担ったのはわたしたちの病
彼が負ったのはわたしたちの痛みであったのに
わたしたちは思っていた
神の手にかかり、打たれたから
彼は苦しんでいるのだ、と。
5彼が刺し貫かれたのは
わたしたちの背きのためであり
彼が打ち砕かれたのは
わたしたちの咎のためであった。
彼の受けた懲らしめによって
わたしたちに平和が与えられ
彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。
6わたしたちは羊の群れ
道を誤り、それぞれの方角に向かって行った。
そのわたしたちの罪をすべて
主は彼に負わせられた。
7苦役を課せられて、かがみ込み
彼は口を開かなかった。
屠り場に引かれる小羊のように
毛を刈る者の前に物を言わない羊のように
彼は口を開かなかった。
8捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。
彼の時代の誰が思い巡らしたであろうか
わたしの民の背きのゆえに、彼が神の手にかかり
命ある者の地から断たれたことを。
9彼は不法を働かず
その口に偽りもなかったのに
その墓は神に逆らう者と共にされ
富める者と共に葬られた。
10病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ
彼は自らを償いの献げ物とした。
彼は、子孫が末永く続くのを見る。
主の望まれることは
彼の手によって成し遂げられる。
11彼は自らの苦しみの実りを見
それを知って満足する。
わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために
彼らの罪を自ら負った。
12それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし
彼は戦利品としておびただしい人を受ける。
彼が自らをなげうち、死んで
罪人のひとりに数えられたからだ。
多くの人の過ちを担い
背いた者のために執り成しをしたのは
この人であった。
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第2朗読 ヘブライ10:16~25
(新413)
10: 16「『それらの日の後、わたしが
彼らと結ぶ契約はこれである』と、
主は言われる。『わたしの律法を彼らの心に置き、
彼らの思いにそれを書きつけよう。
17もはや彼らの罪と不法を思い出しはしない。』」
18罪と不法の赦しがある以上、罪を贖うための供え物は、もはや必要ではありません。
19それで、兄弟たち、わたしたちは、イエスの血によって聖所に入れると確信しています。
20イエスは、垂れ幕、つまり、御自分の肉を通って、新しい生きた道をわたしたちのために開いてくださったのです。 21更に、わたしたちには神の家を支配する偉大な祭司がおられるのですから、 22心は清められて、良心のとがめはなくなり、体は清い水で洗われています。信頼しきって、真心から神に近づこうではありませんか。
23約束してくださったのは真実な方なのですから、公に言い表した希望を揺るがぬようしっかり保ちましょう。 24互いに愛と善行に励むように心がけ、 25ある人たちの習慣に倣って集会を怠ったりせず、むしろ励まし合いましょう。かの日が近づいているのをあなたがたは知っているのですから、ますます励まし合おうではありませんか。
又はヘブライ4:14~16,5:7~9 (新405)
4: 14さて、わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。
15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。
16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。
5: 7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。
8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。 9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となり、
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福音書 ヨハネ18: 1~19:42 (新203)
18: 1こう話し終えると、イエスは弟子たちと一緒に、キドロンの谷の向こうへ出て行かれた。そこには園があり、イエスは弟子たちとその中に入られた。
2イエスを裏切ろうとしていたユダも、その場所を知っていた。イエスは、弟子たちと共に度々ここに集まっておられたからである。
3それでユダは、一隊の兵士と、祭司長たちやファリサイ派の人々の遣わした下役たちを引き連れて、そこにやって来た。松明やともし火や武器を手にしていた。
4イエスは御自分の身に起こることを何もかも知っておられ、進み出て、「だれを捜しているのか」と言われた。 5彼らが「ナザレのイエスだ」と答えると、イエスは「わたしである」と言われた。イエスを裏切ろうとしていたユダも彼らと一緒にいた。 6イエスが「わたしである」と言われたとき、彼らは後ずさりして、地に倒れた。 7そこで、イエスが「だれを捜しているのか」と重ねてお尋ねになると、彼らは「ナザレのイエスだ」と言った。
8すると、イエスは言われた。「『わたしである』と言ったではないか。わたしを捜しているのなら、この人々は去らせなさい。」
9それは、「あなたが与えてくださった人を、わたしは一人も失いませんでした」と言われたイエスの言葉が実現するためであった。
10シモン・ペトロは剣を持っていたので、それを抜いて大祭司の手下に打ってかかり、その右の耳を切り落とした。手下の名はマルコスであった。
11イエスはペトロに言われた。「剣をさやに納めなさい。父がお与えになった杯は、飲むべきではないか。」
12そこで一隊の兵士と千人隊長、およびユダヤ人の下役たちは、イエスを捕らえて縛り、 13まず、アンナスのところへ連れて行った。彼が、その年の大祭司カイアファのしゅうとだったからである。 14一人の人間が民の代わりに死ぬ方が好都合だと、ユダヤ人たちに助言したのは、このカイアファであった。
15シモン・ペトロともう一人の弟子は、イエスに従った。この弟子は大祭司の知り合いだったので、イエスと一緒に大祭司の屋敷の中庭に入ったが、
16ペトロは門の外に立っていた。大祭司の知り合いである、そのもう一人の弟子は、出て来て門番の女に話し、ペトロを中に入れた。
17門番の女中はペトロに言った。「あなたも、あの人の弟子の一人ではありませんか。」ペトロは、「違う」と言った。 18僕や下役たちは、寒かったので炭火をおこし、そこに立って火にあたっていた。ペトロも彼らと一緒に立って、火にあたっていた。
19大祭司はイエスに弟子のことや教えについて尋ねた。 20イエスは答えられた。「わたしは、世に向かって公然と話した。わたしはいつも、ユダヤ人が皆集まる会堂や神殿の境内で教えた。ひそかに話したことは何もない。
21なぜ、わたしを尋問するのか。わたしが何を話したかは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。その人々がわたしの話したことを知っている。」
22イエスがこう言われると、そばにいた下役の一人が、「大祭司に向かって、そんな返事のしかたがあるか」と言って、イエスを平手で打った。
23イエスは答えられた。「何か悪いことをわたしが言ったのなら、その悪いところを証明しなさい。正しいことを言ったのなら、なぜわたしを打つのか。」
24アンナスは、イエスを縛ったまま、大祭司カイアファのもとに送った。
25シモン・ペトロは立って火にあたっていた。人々が、「お前もあの男の弟子の一人ではないのか」と言うと、ペトロは打ち消して、「違う」と言った。
26大祭司の僕の一人で、ペトロに片方の耳を切り落とされた人の身内の者が言った。「園であの男と一緒にいるのを、わたしに見られたではないか。」
27ペトロは、再び打ち消した。するとすぐ、鶏が鳴いた。
28人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。
29そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、「どういう罪でこの男を訴えるのか」と言った。 30彼らは答えて、「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう」と言った。 31ピラトが、「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け」と言うと、ユダヤ人たちは、「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません」と言った。
32それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。 33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。 34イエスはお答えになった。「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」
35ピラトは言い返した。「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」
36イエスはお答えになった。「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」
37そこでピラトが、「それでは、やはり王なのか」と言うと、イエスはお答えになった。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」
38ピラトは言った。「真理とは何か。」
ピラトは、こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。「わたしはあの男に何の罪も見いだせない。 39ところで、過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。」 40すると、彼らは、「その男ではない。バラバを」と大声で言い返した。バラバは強盗であった。
19: 1そこで、ピラトはイエスを捕らえ、鞭で打たせた。 2兵士たちは茨で冠を編んでイエスの頭に載せ、紫の服をまとわせ、
3そばにやって来ては、「ユダヤ人の王、万歳」と言って、平手で打った。 4ピラトはまた出て来て、言った。「見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。そうすれば、わたしが彼に何の罪も見いだせないわけが分かるだろう。」
5イエスは茨の冠をかぶり、紫の服を着けて出て来られた。ピラトは、「見よ、この男だ」と言った。 6祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると、「十字架につけろ。十字架につけろ」と叫んだ。ピラトは言った。「あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしはこの男に罪を見いだせない。」
7ユダヤ人たちは答えた。「わたしたちには律法があります。律法によれば、この男は死罪に当たります。神の子と自称したからです。」
8ピラトは、この言葉を聞いてますます恐れ、 9再び総督官邸の中に入って、「お前はどこから来たのか」とイエスに言った。しかし、イエスは答えようとされなかった。
10そこで、ピラトは言った。「わたしに答えないのか。お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、このわたしにあることを知らないのか。」
11イエスは答えられた。「神から与えられていなければ、わたしに対して何の権限もないはずだ。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪はもっと重い。」
12そこで、ピラトはイエスを釈放しようと努めた。しかし、ユダヤ人たちは叫んだ。「もし、この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない。王と自称する者は皆、皇帝に背いています。」
13ピラトは、これらの言葉を聞くと、イエスを外に連れ出し、ヘブライ語でガバタ、すなわち「敷石」という場所で、裁判の席に着かせた。
14それは過越祭の準備の日の、正午ごろであった。ピラトがユダヤ人たちに、「見よ、あなたたちの王だ」と言うと、 15彼らは叫んだ。「殺せ。殺せ。十字架につけろ。」ピラトが、「あなたたちの王をわたしが十字架につけるのか」と言うと、祭司長たちは、「わたしたちには、皇帝のほかに王はありません」と答えた。
16そこで、ピラトは、十字架につけるために、イエスを彼らに引き渡した。
こうして、彼らはイエスを引き取った。 17イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。 18そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。 19ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。 20イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。
21ユダヤ人の祭司長たちがピラトに、「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください」と言った。
22しかし、ピラトは、「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ」と答えた。
23兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。
24そこで、「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう」と話し合った。それは、
「彼らはわたしの服を分け合い、
わたしの衣服のことでくじを引いた」
という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。 25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。 26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。
27それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。
28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、「渇く」と言われた。こうして、聖書の言葉が実現した。
29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。
30イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。
31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。
32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。 33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。 34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。
35それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。
36これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。 37また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。
38その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。
39そこへ、かつてある夜、イエスのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って来た。
40彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包んだ。 41イエスが十字架につけられた所には園があり、そこには、だれもまだ葬られたことのない新しい墓があった。 42その日はユダヤ人の準備の日であり、この墓が近かったので、そこにイエスを納めた。
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2022年4月17日 主の復活(主日) (白/金)
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第1朗読 使徒言行録10:34~43 (新233)
又はイザヤ65:17~25
(旧1168)
第2朗読 一コリント15:19~26 (新321)
又は使徒10:34~43
(新233)
福 音 書 ヨハネ20: 1~18
(新209)
又はルカ24: 1~12
(新159)
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Of. 118改3 (詩編118:1-2&14-24)
恵み深い主に感謝せよ。慈しみはとこしえに。
イスラエルは言え。慈しみはとこしえに。
主はわたしの砦、わたしの歌。
主はわたしの救いとなってくださった。
み救いを喜び歌う声が主に従う人の天幕に響く。
主の右の手は御力を示す。
主の右の手は高く上がり
主の右の手は御力を示す。
死ぬことなく、生き長らえて、
主の御業を語り伝えよう。
主はわたしを厳しく懲らしめられたが、
死に渡すことはなさらなかった。
正義の城門を開け、わたしは入って主に感謝しよう。
これは主の城門、主に従う人はここを入る。
主よ、わたしはあなたに感謝をささげる、
あなたは答え、救いを与えてくださった。
家を建てる者の退けた石が、隅の親石となった。
これは主のみ業、わたしたちの目には驚くべきこと。
今日こそ主のみ業の日、
今日を喜び祝い、喜び躍ろう。
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Pr.
慈しみの神様。主は生きておられます。私たちはもはや御子を死者の中に捜しません。主はいのちの主となられました。キリストと共に私たちのうちにも復活のいのちを増し加えてください。そうして、あなたの民としてあなたとひとつとなる永遠の命の完成に向かって成長することができますように。あなたと聖霊とともにただ独りの神、永遠の支配者、御子、主イエス・キリストによって祈ります。
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第1朗読 使徒言行録10:34~43 (新233)
10: 34そこで、ペトロは口を開きこう言った。「神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました。
35どんな国の人でも、神を畏れて正しいことを行う人は、神に受け入れられるのです。 36神がイエス・キリストによって――この方こそ、すべての人の主です――平和を告げ知らせて、イスラエルの子らに送ってくださった御言葉を、
37あなたがたはご存じでしょう。ヨハネが洗礼を宣べ伝えた後に、ガリラヤから始まってユダヤ全土に起きた出来事です。
38つまり、ナザレのイエスのことです。神は、聖霊と力によってこの方を油注がれた者となさいました。イエスは、方々を巡り歩いて人々を助け、悪魔に苦しめられている人たちをすべていやされたのですが、それは、神が御一緒だったからです。
39わたしたちは、イエスがユダヤ人の住む地方、特にエルサレムでなさったことすべての証人です。人々はイエスを木にかけて殺してしまいましたが、
40神はこのイエスを三日目に復活させ、人々の前に現してくださいました。 41しかし、それは民全体に対してではなく、前もって神に選ばれた証人、つまり、イエスが死者の中から復活した後、御一緒に食事をしたわたしたちに対してです。
42そしてイエスは、御自分が生きている者と死んだ者との審判者として神から定められた者であることを、民に宣べ伝え、力強く証しするようにと、わたしたちにお命じになりました。
43また預言者も皆、イエスについて、この方を信じる者はだれでもその名によって罪の赦しが受けられる、と証ししています。」
又はイザヤ65:17~25
(旧1168)
65: 17見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。
初めからのことを思い起こす者はない。
それはだれの心にも上ることはない。
18代々とこしえに喜び楽しみ、喜び躍れ。
わたしは創造する。
見よ、わたしはエルサレムを喜び躍るものとして
その民を喜び楽しむものとして、創造する。
19わたしはエルサレムを喜びとし
わたしの民を楽しみとする。
泣く声、叫ぶ声は、再びその中に響くことがない。
20そこには、もはや若死にする者も
年老いて長寿を満たさない者もなくなる。
百歳で死ぬ者は若者とされ
百歳に達しない者は呪われた者とされる。
21彼らは家を建てて住み
ぶどうを植えてその実を食べる。
22彼らが建てたものに他国人が住むことはなく
彼らが植えたものを
他国人が食べることもない。
わたしの民の一生は木の一生のようになり
わたしに選ばれた者らは
彼らの手の業にまさって長らえる。
23彼らは無駄に労することなく
生まれた子を死の恐怖に渡すこともない。
彼らは、その子孫も共に
主に祝福された者の一族となる。
24彼らが呼びかけるより先に、わたしは答え
まだ語りかけている間に、聞き届ける。
25狼と小羊は共に草をはみ
獅子は牛のようにわらを食べ、蛇は塵を食べ物とし
わたしの聖なる山のどこにおいても
害することも滅ぼすこともない、と主は言われる。
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第2朗読 一コリント15:19~26
(新321)
15: 19この世の生活でキリストに望みをかけているだけだとすれば、わたしたちはすべての人の中で最も惨めな者です。
20しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。
21死が一人の人によって来たのだから、死者の復活も一人の人によって来るのです。 22つまり、アダムによってすべての人が死ぬことになったように、キリストによってすべての人が生かされることになるのです。
23ただ、一人一人にそれぞれ順序があります。最初にキリスト、次いで、キリストが来られるときに、キリストに属している人たち、
24次いで、世の終わりが来ます。そのとき、キリストはすべての支配、すべての権威や勢力を滅ぼし、父である神に国を引き渡されます。
25キリストはすべての敵を御自分の足の下に置くまで、国を支配されることになっているからです。 26最後の敵として、死が滅ぼされます。
又は使徒10:34~43
(新233)
10: 34そこで、ペトロは口を開きこう言った。「神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました。
35どんな国の人でも、神を畏れて正しいことを行う人は、神に受け入れられるのです。 36神がイエス・キリストによって――この方こそ、すべての人の主です――平和を告げ知らせて、イスラエルの子らに送ってくださった御言葉を、
37あなたがたはご存じでしょう。ヨハネが洗礼を宣べ伝えた後に、ガリラヤから始まってユダヤ全土に起きた出来事です。
38つまり、ナザレのイエスのことです。神は、聖霊と力によってこの方を油注がれた者となさいました。イエスは、方々を巡り歩いて人々を助け、悪魔に苦しめられている人たちをすべていやされたのですが、それは、神が御一緒だったからです。
39わたしたちは、イエスがユダヤ人の住む地方、特にエルサレムでなさったことすべての証人です。人々はイエスを木にかけて殺してしまいましたが、
40神はこのイエスを三日目に復活させ、人々の前に現してくださいました。 41しかし、それは民全体に対してではなく、前もって神に選ばれた証人、つまり、イエスが死者の中から復活した後、御一緒に食事をしたわたしたちに対してです。
42そしてイエスは、御自分が生きている者と死んだ者との審判者として神から定められた者であることを、民に宣べ伝え、力強く証しするようにと、わたしたちにお命じになりました。
43また預言者も皆、イエスについて、この方を信じる者はだれでもその名によって罪の赦しが受けられる、と証ししています。」
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福音書 ヨハネ20: 1~18 (新209)
20: 1週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。
2そこで、シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」
3そこで、ペトロとそのもう一人の弟子は、外に出て墓へ行った。 4二人は一緒に走ったが、もう一人の弟子の方が、ペトロより速く走って、先に墓に着いた。
5身をかがめて中をのぞくと、亜麻布が置いてあった。しかし、彼は中には入らなかった。 6続いて、シモン・ペトロも着いた。彼は墓に入り、亜麻布が置いてあるのを見た。
7イエスの頭を包んでいた覆いは、亜麻布と同じ所には置いてなく、離れた所に丸めてあった。 8それから、先に墓に着いたもう一人の弟子も入って来て、見て、信じた。 9イエスは必ず死者の中から復活されることになっているという聖書の言葉を、二人はまだ理解していなかったのである。
10それから、この弟子たちは家に帰って行った。
11マリアは墓の外に立って泣いていた。泣きながら身をかがめて墓の中を見ると、
12イエスの遺体の置いてあった所に、白い衣を着た二人の天使が見えた。一人は頭の方に、もう一人は足の方に座っていた。
13天使たちが、「婦人よ、なぜ泣いているのか」と言うと、マリアは言った。「わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。」
14こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。しかし、それがイエスだとは分からなかった。
15イエスは言われた。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。」マリアは、園丁だと思って言った。「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」
16イエスが、「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。
17イエスは言われた。「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」
18マグダラのマリアは弟子たちのところへ行って、「わたしは主を見ました」と告げ、また、主から言われたことを伝えた。
又はルカ24: 1~12
(新159)
24: 1そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。 2見ると、石が墓のわきに転がしてあり、 3中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。 4そのため途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人がそばに現れた。 5婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。
6あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。
7人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」 8そこで、婦人たちはイエスの言葉を思い出した。 9そして、墓から帰って、十一人とほかの人皆に一部始終を知らせた。
10それは、マグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリア、そして一緒にいた他の婦人たちであった。婦人たちはこれらのことを使徒たちに話したが、
11使徒たちは、この話がたわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった。 12しかし、ペトロは立ち上がって墓へ走り、身をかがめて中をのぞくと、亜麻布しかなかったので、この出来事に驚きながら家に帰った。
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2022年4月24日 復活節第2主日 (白)
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第1朗読 使徒言行録5:27~32
(新222)
第2朗読 黙示録1: 4~ 8
(新452)
福 音 書 ヨハネ20:19~31 (新210)
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Of. 118改4 (詩編118:14-29)
主はわたしの砦、わたしの歌。
主はわたしの救いとなってくださった。
御救いを喜び歌う声が主に従う人の天幕に響く。
主の右の手は御力を示す。
主の右の手は高く上がり
主の右の手は御力を示す。
死ぬことなく、生き長らえて、
主の御業を語り伝えよう。
主はわたしを厳しく懲らしめられたが、
死に渡すことはなさらなかった。
正義の城門を開け、わたしは入って主に感謝しよう。
これは主の城門、主に従う人はここを入る。
主よ、わたしはあなたに感謝をささげる、
あなたは答え、救いを与えてくださった。
家を建てる者の退けた石が、隅の親石となった。
これは主のみ業、わたしたちの目には驚くべきこと。
今日こそ主のみ業の日、
今日を喜び祝い、喜び躍ろう。
どうか主よ、わたしたちに救いを。
どうか主よ、わたしたちに栄えを。
祝福あれ、主のみ名によって来る人に。
わたしたちは主の家からあなたたちを祝福する。
主こそ神、私たちに光をお与えになる方。
祭壇の角のところまで、祭りのいけにえを綱で引け。
あなたはわたしの神、あなたに感謝をささげる。
わたしの神よ、あなたをあがめる。
恵み深い主に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
又は150(詩編150)
ハレルヤ。聖所で神を賛美せよ。
大空の砦で神を賛美せよ。
力強い御業のゆえに神を賛美せよ。
大きな御力のゆえに神を賛美せよ。
角笛を吹いて神を賛美せよ。
琴と竪琴を奏でて神を賛美せよ。
太鼓に合わせて踊りながら神を賛美せよ。
弦をかき鳴らし笛を吹いて神を賛美せよ。
シンバルを鳴らし神を賛美せよ。
シンバルを響かせて神を賛美せよ。
息あるものはこぞって主を賛美せよ。
ハレルヤ。
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Pr.
憐れみの神様。あなたは失われた者を喜び迎え、憐れみをもって抱きしめてくださいます。洗礼によって私たちに恵みの衣を着せ、愛の食卓で養ってください。あなたと聖霊とともにただ独りの神、永遠の支配者、御子、主イエス・キリストによって祈ります。
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第1朗読 使徒言行録5:27~32
(新222)
5: 27彼らが使徒たちを引いて来て最高法院の中に立たせると、大祭司が尋問した。 28「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」
29ペトロとほかの使徒たちは答えた。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。 30わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられました。 31神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。
32わたしたちはこの事実の証人であり、また、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししておられます。」
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第2朗読 黙示録1: 4~ 8
(新452)
1: 4-5ヨハネからアジア州にある七つの教会へ。今おられ、かつておられ、やがて来られる方から、また、玉座の前におられる七つの霊から、更に、証人、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。
わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、 6わたしたちを王とし、御自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に、栄光と力が世々限りなくありますように、アーメン。
7見よ、その方が雲に乗って来られる。
すべての人の目が彼を仰ぎ見る、
ことに、彼を突き刺した者どもは。
地上の諸民族は皆、彼のために嘆き悲しむ。
然り、アーメン。
8神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる。「わたしはアルファであり、オメガである。」
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福音書 ヨハネ20:19~31 (新210)
20: 19その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。
20そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。 21イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」
22そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。 23だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」
24十二人の一人でディディモと呼ばれるトマスは、イエスが来られたとき、彼らと一緒にいなかった。
25そこで、ほかの弟子たちが、「わたしたちは主を見た」と言うと、トマスは言った。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」
26さて八日の後、弟子たちはまた家の中におり、トマスも一緒にいた。戸にはみな鍵がかけてあったのに、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。
27それから、トマスに言われた。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」
28トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。 29イエスはトマスに言われた。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである。」
30このほかにも、イエスは弟子たちの前で、多くのしるしをなさったが、それはこの書物に書かれていない。
31これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである。
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